前回は半ば冗談で梅雨明けたと書いたのですがまさか本当に6月に明けるとは気候変動恐るべしですね。
まあ、ハイカーにとっては空梅雨はありがたい限りです。もう早朝でも近くの川べりをウォーキングするのも躊躇する暑さなので身体を動かしにどこかに行きたい。そう思って調べてみても山開きやバスの運行は大体7月から。
そんな中、SNSで見たのが立山黒部アルペンルートの6月末までの割引きっぷ販売の記事。居住地の制限なし。
お、これなら行けるのでは?
調べてみたところ、新宿→扇沢(長野側)の夜行バスは6月はありませんでしたが、富山側だと富山駅までの夜行バスは普通の高速バスがあるので、これに乗れば行けそう。富山から入って雷鳥沢で1泊して長野側に抜けるルート、行ける!
さて、問題はテント泊をするべきか?です。
前回の記事でテント泊は荷物が重いのでしばらく様子見と書いたばかり。
でも室堂から雷鳥沢キャンプ場までは1時間弱。しかも行きは下り。帰りは食料の分荷物は軽くなるので、チャレンジしてみてもいいんじゃない?
うん、行こう。
12kg(ただし登山靴入り)でした。まあまあでしょう。登山靴を抜いたらもっと軽くなるのでこれで行きます。
約2年ぶりのテン泊。荷造りは念入りに。
22時50分バスタ新宿発のバスへ乗り込みます。平日なので空いてます。4列のシートですが、ほぼ全てで隣は空席という状態なので快適。
5時30分に富山駅に到着。隣接する電鉄富山駅に移動します。ここでWebで購入した切符を忘れずに発券。QRコードをかざすだけで発券できて便利。
そして立山行きの電車に乗り込みます。この区間は先ほど買った切符には含まれていなかったので券売機で購入。
電車に乗り込んだらまだ眠り足りなくて車内で爆睡。終点までなので安心しきって寝てたら駅員さんに起こされました、恥ずかしい。。。
さてお次はケーブルカー。美女平まで7分。まずまずお客さんがいますね。
どんどん行きます。次は室堂までバスで50分です。途中のビューポイントでは速度を落としてくれます。
うーん、とうとう立山黒部アルペンルートに来たんだー!という景色が広がります。ずっと来たかったんですよね、実は。
ようやく室堂に到着。
うーん、よい天気!
到着口からターミナル建物に入ると入山安全相談窓口の方を登山届の記入用ボードを渡されます。コンパスで提出するつもりでしたが、こちらにも記入します。
そして、歩く支度をします。
屋上には足を洗う水場や湧水を汲む場所がありますが、雷鳥沢にも水場があるということなのでここで汲むのはやめました。
歩き出すといきなり残雪が広がっています。雪は柔らかいので軽アイゼンはなくても大丈夫です。石畳の道が出ているところもありますが、雪に覆われている方が多かったかな。
それにしても暴力的な暑さから解放されて天気に恵まれた朝の山歩きは最高!の一言です。
途中のみくりが池温泉はまだ休業中。夏シーズンに向けてかな?工事中です。
しばらく下ると火山ガス情報ステーションが。センサーがあちこちに設置されてます。風向きによって硫黄臭の風が漂ってきます。
雷鳥荘あたりからはほぼ道は雪に覆われていて、どこを歩いていいのかやや迷います。
それでも順調にキャンプ場に到着。テントは数張しかありません。そもそも地面が出ているエリアがわずか。
心細くなるので、すでに建っているテントの近くに張らせてもらうことにします。地面は平らでとてもよいコンディション。ペグもよく刺さるし、大きな石もあるので安定して設置できました。2年ぶりでもちゃんと覚えてるものですね。
受付で1000円支払って札をもらいます。
さて、アタックザックを持って雄山を目指そうとしたのですが、見渡す限りの雪。登山道がさっぱりわからない上に雪の上を移動するのでペースが上がりません。
……山頂行くのやーめた。
この時点で10時過ぎてるので、予定より時間がかかるとしたら下山遅くなるし、道迷いしそうだしであきらめました。
今日は次に山頂目指す時のための下見ということにします。そして避暑を楽しむのです。
しばし景色を楽しんだ後は、雷鳥沢ヒュッテの温泉にいそいそと向かいます。
宿泊者以外も日中は入浴できます。700円払って女湯へ。
鍵付きロッカーが無料で良心的。テントの数からもお察しのとおり、お客さんはおらず貸切状態。11時なのでおそらく今日の一番乗り。
そのためお湯が熱い!水をいくら足しても熱い。加熱してないそうですが、この温度はすごい。
あとびっくりしたのはシャンプー&コンディショナー、ボディーソープが備え付けられてたこと。これは嬉しい誤算です。ドライヤーもあるので髪も身体も洗い上げてさっぱりしました。
お風呂上がりはやはり一杯。ちゃんとノンアルコールビールもあって助かります。
テント場に戻って昼食。時間がたっぷりあるのでアルファ米をお湯で戻して、レトルトハンバーグを湯煎して豪華な食事になりました。
昼ご飯を食べたら眠くなったので、眠気に身を任せてテントで昼寝。ぐっすり19時まで寝てしまいました。
19時でもまだ外は明るいです。テントを出ると雲が夕日に染まってキレイ。ちょっと雲が増えました。
身体を動かしてないので夕飯はチキンラーメンだけで軽めに済ませます。
周りのテントの方は20時には静かに休まれていたので私も再び眠ることにしました。あれだけ寝たのにぐっすり寝ちゃいました。2時くらいに一度目を覚ましましたが、その後は4時半くらいまで眠りっぱなし。
最近深く眠れない日もあったのですが、嘘みたいにたっぷり眠れました。
夜はやはり冷えました。Tシャツの上にダウンを着て、インナーシーツ、シュラフ、シュラフカバーで眠ってなんとか、という感じ。
5時にテントを開けると景色が一変していました。
一瞬吹雪いてるのかと思いましたよ。一面霧がかかってます。
朝食もインスタントラーメン。防災とキャンプ目的で備蓄してたのですが、期限がとっくに切れてるのでここで消費しないといけないので仕方ないのです。
朝食を済ませてテントを撤収しても霧は晴れません。これは昨日来て正解でした。
帰りのバスを予約しているため逆算すると8時過ぎの室堂発のバスに乗らなければなりません。そのため7時前にテント場を出発。
荷物が重いので上りは辛いですが、急ぐ必要はないので心拍数が上がり過ぎないようにコントロールして一歩一歩踏みしめます。
しかしひたすら霧。
上の方では観光客の方が何人かいましたが、この時間だと宿泊客かな?であれば昨日景色を楽しめたからまだいいですかね。
ゆっくり登ったのでそこまでは疲弊せずに室堂に到着。
足洗い場でグラウンドシートやストックの泥を落として、タイツと登山靴を脱いでサンダル履きに換えれば身軽に。
バス待ちの間、テント場で一緒だったハイカーさんと会話。
そのハイカーさんは2泊したそうなのですが、29日はもっと雪が多くてテント場の地面も大半が雪に埋もれてたのだとか。
テントも2張くらいしかなかったそう。
どうやらちょうどよいタイミングに来れたみたい。
あとびっくりしたのはテント場からそう離れてない場所に熊が出てたんだそう!
カメラを持ってきてたハイカーさんが撮影したみたい。
雪で黒い影が目立つのでわかったみたい。
私は昼からさっさと寝てしまったので知らなかったのだけど、知らなくてよかったかも。
知ってたら怖くて寝るどころじゃなかったね。
管理人さんからは狐に注意するよう、かなり強く注意されてたので、ゴミも食糧もちゃんとしまって置いたからたぶん大丈夫だったと思うけど、怖いですねえ。
さて、話は戻って8時15分のバスに乗り込み大観峰へ。
大観峰からは時間を置かずロープウェイへ。
ロープウェイからの景色は格別。黒部湖が綺麗に見えます。
黒部平に到着。
ここには眺望スポットがいくつかあるので、ケーブルカーまでのわずかな時間で見て回ります。
相変わらず雲が重くかかってるのは残念ですが、それでも迫力の眺望です。
屋上のパノラマビューポイントはぜひ行ってみてくださいね、ザックが重くて階段上がるのきついですが、開けた景色は気持ちよいです。
さて、次はケーブルカー。
私は乗り物好きなので、こうもいろんな種類の乗り物に次々乗れるのはとても楽しいです。
ケーブルカーは終始トンネルの中を走るので眺望はありません。
そしていよいよ黒部ダム到着!
スッキリした晴れとまではいきませんがまずまずのお天気で安心。
いやー、規模が凄すぎてなんだか実感が湧きませんね。
階段上るのは心から嫌でしたが、見える景色が違うのでがんばって登りましょうね。
行きがけに漫画「山と食欲と私」の6巻を読んで、ダムカレーを食べるのを楽しみにしていたのですが、レストハウスのオープンは10時でした。10時20分のバスに乗らないと帰りのバスに間に合わないので残念ですがあきらめます。
バスで扇沢、そこからバスを乗り継いで長野駅へ。長野駅からはさらに高速バスに5時間ほど揺られて新宿へ。
今は高速バスの中でこのブログを書いてます。時間はたっぷりありますからね。
それにしても楽しかったです。
立山黒部アルペンルートはずっと憧れの観光地だったのでようやく来れた!という感じです。
雷鳥沢キャンプ場は想像以上に快適なテント場でした。トイレは水洗だし紙はついてるし。まあ、混雑する時期はトイレに行列ができたりと快適なばかりではないみたいですけど。でも賑やかな時も見てみたいですね。
室堂からのアプローチの楽さを考えると必ずまた来る!と心に決めました。
【行程】
6/28
2250バスタ新宿
| 高速バス、2900円
6/29
0530富山駅北口
0606電鉄富山
| 富山地方鉄道本線 立山行、1110円
0713立山駅
0720
| 立山ケーブルカー
0727美女平
0740
| 立山高原バス50分
0830室堂
6/30
0845室堂
| 立山トンネルトロリーバス
0855大観峰
0910
| 立山ロープウェイ
0917黒部平
0930
| 黒部ケーブルカー
0935黒部湖
1005黒部ダム
| 関電トンネル電気バス
1021扇沢駅
1030
| バス、3100円
1215長野駅東口
1300
| 高速バス、2000円
1750バスタ新宿
立山黒部アルペンルートWEBきっぷ(全国キャンペーン):8000円
雷鳥沢キャンプ場:1000円
雷鳥沢ヒュッテ日帰り入浴:700円
ノンアルコールビール:300円
計19110円
コメント
はじめまして、
登山歴6年、ただ亀のように歩くアラフィフの女性です。
ここ数年一人で動くことがほとんどで
公共交通機関利用。
私も昨年立山から称名滝→大日→室堂へ
夜行バスで行きました。
にぽぽさんのブログは行程と金額が載っていて、すごく参考になりました!
ありがとうございます、
那須岳、参考にさせていただき
今度行こうと思います!
秋に戸隠に行きたいのですが中々公共交通機関だと難関ですね。。
lovehaskyさんはじめまして!コメントありがとうごさいます
年代もスタイルも近いですね!少しでも参考になることがあれば嬉しいです。公共交通機関で行けるところは限られてますよね。。夏に向けて時間があれば公共交通機関で行けるルートを洗い出したいと思っているのですが、できるかな。。。